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テニスと芝居とアイドルと

今この時、2020年の私がテニミュに救われた話。

昨日。
朝起きたら、世界始まってた。

ミュージカルテニスの王子様4thシーズン開幕と
テニスの王子様の初のミュージカル化決定が発表された世界線爆誕

移動中、眠気を引き摺りつつも、いつもの癖でTwitterを開く。そこまではいつも通りの日常だった。けれどその2つの情報を見た瞬間、一気に覚醒して、眠気は彼方に吹っ飛んだ。動揺と混乱に頭ぐちゃぐちゃになりながらTLを見つめ続けた。
歴代のテニミュキャストの方々も驚きの反応を示していて、TLに沢山踊る「新テニミュ!!?」の文字は驚きと喜びに満ちていた。そして回ってくる愉快な大喜利めいたツイートから感じ取れるのは言いようのないほどの興奮だった。
見ているうちにじわじわと実感と、喜びと、期待とワクワクが込み上げてくる。
こんな気持ちはいつぶりだろう!

テニミュを通ったことのあるオタクは、絶対一度は考えたことあると思うんだけど。
テニミュはずっとずっと続いていって欲しい」
「でも3rdまでやったらもうアプローチやり尽くしてるんじゃないかな……流石に4週目はやらないんじゃない……?」
「いやでも新テニ舞台化は難易度高すぎるしシナリオもどこで切るのってなるしなぁ」
「でもテニミュ終わって欲しくない」
こんな思考のループに陥ったこと、無い?私はある。めっちゃある。し、友人達と話したことも一度や二度ではない。

だからまさか「4thシーズンもやるし、新テニもミュージカル化するよ!テニミュはまだまだ終わらないよ!!!」
って両方ぶつけられると思わないじゃん。ずるい。そんなん反則だ。

許斐先生が以前、「(新テニスの王子様を)ミュージカル化できるものならやってごらんと思いながら描いている」というようなことを仰っていたことを思い出した。
ああこれ、運営は「新テニ、ミュージカルでやれます!!やってやりますよ!!」って、許斐先生の挑戦を受けて立ったんだな!って。
その構図がもう少年漫画みたいじゃん、最高じゃん。そして無印3巡して沢山の演出ノウハウ生み出したからこそ行けるって思ったのかな、とか思ったらテニミュの歴史の重みに涙が出そうになる。

テニミュ長く長く続いて欲しいな~歌舞伎みたいに、それこそ父がn代目○○な二世キャストとか出てきてもおかしくないくらい続いて欲しい!!みたいなのは、オタクの勝手な妄想で夢物語なわけですよ。
テニミュ伝統芸能みたいに続いてくれたら、それはテニスの王子様というコンテンツが、仮に原作の連載がいつか終わってしまっても永遠に続いていくってことじゃないですか。
でもそれはあくまでもオタクの勝手な、現実度外視の夢だった。

でもそんなオタクの勝手に抱いてた夢物語が、どうやら現実になるらしいんですよ。
じっくりやった1stシーズンが7年、
多少駆け足だった2ndシーズンでも4年、
1試合ずつきっちりやった3rdシーズンは5年、
つまり、4thシーズンも数年単位のプロジェクトなのは間違いなくて。
てことはですよ、2003年に始まったテニミュ、4thシーズン中に20周年迎えちゃうんですよ凄くないですか。えっ、ヤバくないですか…………?!!20周年……?!!
今書いてて改めてこの事実にビックリしている。ついに青学が2桁の大台にのった!!と10代目青学に驚いたのはついこないだのことだった気がするのに。
原作アニメのみならず、ミュージカルすら20年選手になろうとしているなんて。テニミュ10周年は、2ndの時。Braveheartの歌詞じゃないけど、「まさかこんなに続くなんてさ」だ。

とにもかくにもテニミュが続く。嬉しい。
新テニがミュージカルになる。嬉しい。
その事実が最高に嬉しいサプライズのは大前提。

だけど、朝、私が心の底から喜んだ本当の理由。それは久しぶりにやってきた「純然だる未来の未知のエンターテインメント」だからだ。

2020年、コロナによって、私が行ける予定だったイベントは、ざっと20個は無くなった。
完全な中止、振替公演を予定するも再び中止、みたいになって完全に日の目を見なくなってしまったものもあるし、無観客という形や配信に切り替えたものもある。特別コンテンツを用意してくれたジャンルもある。予定していたものをとりやめた代わりに代替コンテンツを、としてくれたものもある。
どのコンテンツも「今この世の中でできる最善のもの」を届けてくれている。めちゃくちゃ有難かった、ものすごく嬉しかった。

それでも、「本当だったら見れる筈だったのになぁ」と言う未練はどうしたって消えてくれないし(だってチケットはあったんだよ)、「本来だったらここは○○だったのかな」とか思ってしまうこともある(当初の100%の構成演出ってどんなだろう)。ふとした瞬間に、「本当だったら、私の2020年には、あれもこれもあったはずなのに……」と落ち込んでしまう。嘆いたって仕方ないとわかっていても、その感情を制御するのは難しい。

ドラマの放映が開始する、嬉しい。でも本来の話数ではなくなってしまった。
舞台が再開する、嬉しい。でも、演出変更、客席数減。
映画が公開する、嬉しい。でも、後ろ倒しになったいくつの作品があるだろう。
コンサートがある、嬉しい。でも無観客あるいは無歓声になってしまう。
どうしたって、私が生涯で生で体感出来るエンターテインメントの総数は、彼、彼女らが生涯で行うことの出来るエンターテインメントの総数は、減ってしまったという事実が、頭から消えない。
嬉しいの裏に、絶対に何か悲しい気持ちが過ぎる。そう思ってしまう気持ちはどうしたって止められなかった。

だから、本当に、本当に久しぶりだったのだ。嬉しい、楽しみだ、ワクワクするで100%になる、プラスだらけの気持ちを持てたのは。
4週目にまた続く嬉しさ、新テニミュの未知への期待。ここにきてなおまだ新たな展開を見せるテニミュにワクワクする、こどもみたいな気持ち。まさか2020年中にこんな気持ちになれるなんて、夢にも思ってなかったよ。
自分でも思ってた以上に、たくさんの楽しみを、エンターテインメントを潰されたこの半年が、苦しくて、きつくて、心をやられてたんだな、と気付いた。
でも苦しいことに気づけるのって、悪いことじゃない。苦しいことに慣れきって麻痺して平気だと思い込んだままよりはずっといい。だから、今の今までめちゃくちゃキツかったんだって気づけるくらい、このテニミュの新たなお知らせは、私にとってかなりでかい出来事だ。麻痺した感覚を取り戻せるくらいの衝撃だったのだ。

……ここまでこれだけ語っといてなんですが。私、テニミュブランクがあるんですよ。
私のテニミュ歴はと言うと、1stを映像で見てハマって、2ndを全力投球で最初からリアルタイムで追っかけてた、まぁ2ndの亡霊と言うか、燃え尽き症候群みたいになって、3rdはちゃんと見れてなかったタイプなんです。
でも2ndの終わりを見届けてから6年ですよ。燃え尽き症候群も復活するし、亡霊が穏やかに成仏するだけの時間は経ってる。
(ちゃんと応援こそしていなかったけど、情報だけはなんとなく流れてくるままに見ていて、これまでミュに出てなかったキャラが出演したり、OBが戻ってきてくれたりとかそういうのには密かに沸いてたり。
おてふぇすのゲスト出演の時には生で10代目青学見てテンションあがっちゃったりはしてました。)
これだけの年数経って、またコンテンツに戻りたいなと思ってしまった時に、ちゃんと戻れるくらい続いてくれてること、しかもそれが新たな展開であること、感謝しかないです、本当に。

これは2018年、おてふぇすの時の自分のブログ
channelog.hatenablog.com
からの引用なんですが。
ゲスト出演した10代目青学が「tricolore」を歌ってくれたことについて。

「永い航海は続いてく きっと ずっと この旗のもと」
ずーっと、あの青学の旗のもとに、原作があって、アニメがあって、それからミュの青学は初代から数えて9代まで、バトン繋いで15年。そうして、新たな航海に挑もうとする10代目が今ここにいる。
たしかにこの場で歌うのは、「DEPARTURES」より「tricolore」だなぁ、ってなんかものすごく、グッときた。

この時の感覚が、蘇ってきた。
今tricolore聴いたら馬鹿みたいに泣いちゃう自信がある。なんなら脳内再生しているだけで既に泣きそうだ。
10代続いてきた青学のタスキを、また受け継いで航海に出る11代目がじきに現れる。
そして11代目の彼らが全国大会優勝を目指して駆け上がっていくのを見守ると同時期に、彼らが到達した先の未来を、新テニミュで見ることが出来る。
これは、原作やアニメではできなかった楽しみ方だ。未だかつてやったことのない楽しみ方だ。これをワクワクせずにいられるか?

テニスの王子様の未来は、テニミュの未来は、まだまだ続く。

何かの代替でも穴埋めでもなく、純粋な完全に新しい未来の楽しみ。
今年に入ってからなかなか持つことのできなかったもの。諦めかけてたもの。テニミュがそれを与えてくれた。
比喩でも大袈裟でもなく、2020年の私はテニミュに心を救われたんだ。

ところで、下手すると2021年って
テニミュ4th、新テニミュ、劇場版「リョーマ」、氷帝vs立海、もしかしたらアニプリ20周年企画もあるかもしれない……みたいな、テニスの王子様に忙殺される1年になるのでは?!!最高じゃん。
先の見えない今のこの世の中で、明確な先の光を見せてくれることが、どれほど得難くありがたいか。
テニスの王子様は、2021年いったいどれだけ楽しませてくれるんだろう!!

生きよう、楽しもう、未来を夢見よう。
だってまだ見ぬワクワクが、この先で待ってる。