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テニスと芝居とアイドルと

#なにわ男子しか勝たん 感想①

「なにわ男子First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん」8/17福岡公演行ってきました!

※以下当然のようにネタバレしかありません。例によって馬鹿みたいに長いです。

今回ですね、まさかの復活当選で見に行けることになりまして。メールを見たとき驚きとうれしさでひっくり返るかと思った。都市伝説じゃなかった、復活当選。ちなみに復活当選のメールが来たのが7/21だったんですよ。そのちょうど一週間後の7/28がデビュー発表だったじゃないですか。まさか2週連続でこんなハッピーなメールが届くとは思いませんでした。

 

今回の福岡公演の会場は「マリンメッセ福岡」ですが、前回の全国ホールツアーの時の会場「福岡サンパレス」ってここのめちゃくちゃすぐ近くにあるんですよ。前回サンパレスだったのに、またLIVEで福岡来てくれたと思ったらもうマリンメッセになってるのやばいな…なんて思いながらサンパレスの前を通過し、マリンメッセへ向かいました。私がなにわ男子に会えるのも、アオハルツアーの福岡公演振り!!前回と今回のツアーどちらも地元公演参戦できたの、正直奇跡でしかないのではと思っている。でも私は強欲なのでデビューコン開催されるときは行きたい(切実)。

セトリのネタバレは見てから行きました、というか元々最初の当落時点では落選だったので、普通にがっつりネタバレやらレポやら見てましたし、間にデビュー発表があったから、衣装も結構WSや雑誌のLIVEレポート等々で見てはいたんですが、だからと言って楽しさが損なわれることはまったくなかったです勿論。

 

会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、YouTube配信でもはや見慣れてきた、ダイヤモンドのモチーフが各所に散りばめられたメインステージのセットだった。メインステージやモニター以外の壁面には、小さなライトが無数に飾られ、まるで星空のような美しさ。当たり前だけど、ホールとは比べられないくらい会場もステージも広いし、メインスクリーンもかなりでかい。それから会場全体を見渡すと、メインステージに、円形のセンステ、長方形のバクステ。それらを繋ぐ田の字型の花道という恐らくオーソドックスなステージ構成、客席の四方にはサブモニターが設置されていた。本当にアリーナ規模のコンサートがここで行われるんだな…と感慨深くなりながらその光景を眺めていた。

しばらくするとモニターに映像が映る。噂に聞いてた開演前の感染予防対策の映像は、マジでめちゃくちゃかわいかったです。全員メンバーカラーの単色Tシャツを着て、コンビでの注意呼びかけ→WYHの歌。

呼びかけは、藤原・西畑→西畑・長尾→長尾・大西→大西・大橋→大橋・高橋→高橋・道枝→道枝・藤原って流れだったかな、確か。

西畑くんのテンションバグっててめちゃくちゃ面白かったなぁ。雑誌で読んで知ったんですが、彼ら自身から、「ファンには自分達で伝えないと」ってこの映像作ってくれてたんですよね、ありがたいなぁ。

感染対策といえば、会場のあちこちに置かれた消毒液が手ピカジェル(しかもちゃんと黄色ボトル!)だったのもすごいですよね、メンバーがCMに起用されてるって強いな、とまさかこんなところで感じることになろうとは。

…とまあ長過ぎる前置きはさておき。いい加減本題に入ろうな、私

とはいえ一体どこからどう書いたらいいのか悩ましい。演出も舞台機構も衣装も勿論セトリやパフォーマンス、それからトーク。全部まとめて時系列順に書こうとするとバカみたいな量になって書き終わらない気がする…。というわけで衣装については別にブログを書きます。

 

まずはセトリとパフォーマンスから!

メンバーカラーの宝石が美しく煌めくOP映像。宝石のカットの種類がそれぞれ違って、解釈一致…ってなったことは覚えている。それに合わせて会場の照明もメンバーカラーに染まる。ああ、いよいよ始まるんだ…という高揚感からの1曲目、アオハルはまさかのフライングで登場!長尾くんプロデュースの地球モチーフの煌びやかな衣装を纏って現れた姿を見て、鳥肌が立った。やっぱりこうして会場で味わう生の空気感ってのは格別だ。そこからの怒涛のオリジナル曲ターンですよ。メンステ上空からのフライングでセンステに降り立ったかと思えば、バクステや花道のリフターも使って、開幕からフルスロットル、オリジナル曲を5曲連続で会場中でパフォーマンス!

アオハル→僕空→Seven Stars→ラキボ→ダイスマという、なにわ男子のコンセプトとパブリックイメージのコンプリートセットみたいなセトリですよ。もうこの時点で思った。「なにわ男子しか勝たん。タイトルに偽りなし」と。

Seven Starsは、配信コンの時と同様にモニターに紹介する側とされる側を2分割で映してくれてたんですが、目の前に!リフターに乗った大橋くんがいるんですよ!?私はどこを見たら!?!?結局自分のターン以外も楽しそうに踊ってる大橋くんをずっと見ていた…だって目が離せなかったんです…かわいすぎて…。ファンと同じように、ペンライトをメンバーカラーに変えていきながらのパフォーマンス、メンバーもファンと同じように盛り上がってる感じがしてすごく好き。ラキボ、デビュー発表後の今だと歌詞がめっちゃ刺さる。

お次はJr.紹介ターン!個々のダンスが見れてすごくかっこよかった…。リトかんのオリ曲今回はLil miracleだったので、ここでカッコいい一面も見れて得した気分!

 

衣装を変えたなにわ男子が戻ってきて、またもオリジナル曲2曲連続。Shall we...?と夜這星。

演出がね、2曲ともあまりにも素晴らしくてですね。Shall we…?は、ステージセットの縁取りをピンクのライトが細かく走って、まるで無数の花びらが舞うような光の演出にうっとりして、夜這星は、あまりにも壮大な満天の星空の中、切なく淡い儚さを纏った七人が本当に見惚れるほど美しくて。個人的に「夢中さ、きみに。」がドラマとしてめちゃくちゃ好きだったのと、夜這星ってパフォーマンスどころかサビ以外をじっくり聞き込む機会もなかなかなかったので、長尺の夜這星かつダンスバージョンはあまりにも情報過多の供給過多。この曲は本当にりゅちぇの表現力が、やばい。

ここ2つとも全くタイプの違う魅せるダンスも本当に良くて。演出・衣装・パフォーマンス、全てががっちりかみ合った最高のブロック。たった2曲で異なる美をここまで魅せるのかと、ただただ感嘆して見惚れるしかなかった。

 

で、なにわ男子の単独LIVE恒例のときめき(?)映像ターン。

プールサイドでのBBQ&浴衣で花火。え、こんな贅沢なもの見せてもらっていいんですか!?所謂乙女ゲーム的な個人の胸キュンターン(あーん、ってしてくれるやつ、人によってちょっと下手なのかわいかった)もあったんですが、どっちかっていうと7人がわちゃわちゃ夏を満喫するのをなにわちゃん尊い…かわいい…最高…と思いながら眺めてました。眼福。どっちか一つでもありがたいのに2つもって大盤振る舞いすぎない?

映像の後、センターステージがせり上がり、カラフルな浴衣に身を包んだなにわ男子がシャボン玉と共に登場!何?かわいいの権化か?センステは夏祭りの櫓なの??夏祭りver.なSPLめっちゃかわいいし、ソーダの泡をシャボン玉で表現しようという発想、配信コンの時から思ってたけどド天才。ここまで8曲続けてオリジナル曲なわけですが、Jr.の単独で、きちんと流れやブロックを意識した上でオリ曲だけでここまで固められるの強くない?

こっからはひたすらに楽しい夏ソング&お祭りソングメドレー!しれっと歌詞を「夏生まれ4人」に変えてたりしてたの、なんかいいな。花道をがっつり活用してくれて、ただただかわいくて楽しそうなメンバーやバックの子たちを見ながら幸せに浸ってた。もう本当に楽しいとかわいいしか出てこないブロック。

 

この後のターンは、今しかできないセトリの組み方だよな、とぐっときた。甲子園の映像を流してからの、オモイダマ→夏疾風→夢わたし。夢わたしのタイトルに込められた「夢をわたす=次代へ受け継ぐ」ということが、まさしく、関ジャニ∞→嵐→なにわ男子と、甲子園応援ソングのバトンを受け継いできた「今」に重なるし、Jr.の今だから先輩の曲を披露できて、かつその流れを汲んだオリ曲のパフォーマンスができる。本当に、今のなにわ男子にしかできないことだ。しかもですよ。コーナーMCってこのあとじゃないですか。7/28の昼公演、「夢わたし=わたしの夢」を歌った後に、デビューの夢が叶ったんだよなぁ…と思うと、よりグッとくる。夢わたしのダンスバージョンいいなぁ。振付と、自由な手振りの入り混じった、気持ちの乗ったパフォーマンスが本当に良かった。

オモイダマ、夏疾風、夢わたし、それぞれ異なるアプローチで高校球児たちに寄り添う楽曲なのに、そのどれもが似合う、というかハマるのって、すごい。なにわ男子、グループアイドルとしての歌唱力がめちゃくちゃ高い、とこのブロックで改めて実感した。

これは持論なんですが、歌のうまさの尺度って1つじゃないと思うんですよ。お芝居で例えるなら、舞台畑で有名な人が映像作品に出るとセリフ回しの癖が強かったり、映像作品で繊細な芝居が光る人が声優に挑戦すると物足りなく感じたり、てことあるじゃないですか。大きく「芝居」とくくっても、媒体が違えば、それぞれ全く違うスキルがいる。違う畑に行ったら求められている技能・技法が違うっていうだけの、ごく当たり前の話。これは歌でも一緒だと思ってて。JPOPではオペラやミュージカルのような歌唱は適さないし、グループ楽曲で一人だけソロシンガーのような歌い方でも浮くわけですよ。なにわ男子、個々の声質はバラバラで個性的、歌詞の解釈の仕方、アウトプットもそれぞれ、魅せ方も個々で違うし、得意なものも違う。にもかかわらず、七人のパフォーマンスが綺麗に調和してる。個性と調和の両立って、グループアイドルのパフォーマンスの最適解の路線だと思うんですよ。特にこういった、「気持ちをのせた団体スポーツの応援ソング」においては、個々の気持を乗せた表情や歌声、仕草、その上での調和する綺麗なハーモニーって大事だと思うから。

個人的には嵐のオタクなので、夏疾風を、あんなふうに丁寧にパフォーマンスしてくれるのが嬉しくてうれしくて。最後の相葉さんのところが恭平なの、なんかいいな、と。ちょうど24時間TVの時期が近いから、絆のペダルを思い出したりもした。

 

前半戦終了。MCのターン。一言一句覚えてるわけじゃないので全体的にニュアンス。ざっくり。

Seven Starsのセリフの話。「りゅちぇがたらこ!ってやってたから、いくつか候補浮かべてた中からあえて明太子で被せにいった」という丈くん。個人的なツボは、恭平の「おっとっととっとってっていっとったとになんでとっとってくれんかったと?」が物議を醸したとこ。「この言葉言うってひとー?」の問いかけに対して客席から沸き起こる拍手に、ほかのメンバーが「マジで?!」と困惑してたの可愛かったなぁ。

地元民としては惜しい!「おっとっと取っとってって言っとったとに何で取っとってくれんかったと?」って言っとーと!まで入ってたらパーフェクト!なんて思ったりもしましたが、あの尺じゃ流石に無理だよなぁ。意味(文節)が理解できてる地元民だと、口に出していう分には全く言いにくさのない言葉なんですが、県外の人間が言葉を真似しようとするとわけわからん文字列なんだなー、ということが改めてよく分かって面白かったです。

それと、長尾くんが2日前に誕生日だった、という話から、大人っぽく(?)髪の毛をピンクにしたんだ、って語る長尾くん。ピンクメッシュ、マジでめちゃくちゃかわいい。そして、「皆」で0時ちょうどに集まってお祝いしたよ!というトークに。やけに「皆」を強調するからこれは誰かいなかったな…?と思ったら、恭平が寝落ちしてたらしい。(本人曰く「目をつぶってお祝いしてた」とのこと。すぐそんな返しできるのすごいな!笑)ちゃんと朝4時くらいに「ごめん、おめでとう」っておくったそうで。もうエピソード全部がかわいい。というか考えてみたら、MC恭平祭りですね?

で、そんなトークをしていると、「ここからはYouTube配信になります!」と。いや、この時にめちゃくちゃびっくりしたんですけど、なにわ男子のMC力?トーク力?対応力?どう形容するのが一番適切か分からないけど、すごいな?

ここまでのトーク、なんていうかマジでフリートークって感じに普通に喋ってるんですよ。それでいて客席を置いてきぼりにすることもないし、テンポもいい。誰かが回し(進行役)に徹してそれぞれに話を振るスタイルじゃなくて、本当に普通の会話みたいな感じ。にもかかわらず、ちゃんと聞かせるトークコーナーになってる。その上配信のタイムスケジュールもあること考えたら、本当にめちゃくちゃ高度なことをすっごいナチュラルにさらっとやってるんですが?しかも、タイミングもばっちり。YouTube配信の準備整いました?じゃあいきます、ってなるまでのラグが異様に少ない。「あ、まだ準備できてないみたいですね!?どうしよ…」って間を持て余すこともなければ、「えっもう準備できた?やばい!じゃあこの話はここで!」ってぶった切ることもない。ラグなしに自然な間でコーナーに移行したの、いくら4都市目で慣れてきたと言っても、うますぎでは?

で、コーナーMCですよ。「せーの、ちゅきちゅきー!どうも、なにわ男子でーす!僕たち勝たんコンしてまーす!」いつも配信で見てたあのテンション、あのノリを生で見れてる!ってことでもはや感動した。生で見て改めてわかる西畑クオリティ。声のトーン、テンションがそれまでのナチュラルな会話だったフリートークと全然違う。「YouTube配信用の分かりやすく高めなテンション、ゲームコーナー用の張った声のトーン、はきはきした喋り」だったんですよね。これは西畑くんだけじゃなくて、コーナー説明する丈くんも、リアクションや茶々入れするほかの皆も。それまでがテンション低かったってことではなくて、勿論。声を届ける対象が誰か、媒体は何か、ってのを完全に理解して使い分けてるんだな…と感動すら覚えた。しかも今回ジャニーズ似顔絵対決だったんですけど、コーナーで取れる時間限られているとはいえ、30秒一発描きで人間描けとかいう高難易度クエスト、なんで全員こなせてるの…すごすぎ…。

そしてコーナーが終わると、また、少し落ち着いた声のトーンに変わり、「僕たちから報告事があります。」という西畑くんからの切り出しで、改めてデビューすることを伝えてくれた。私ただの1観客で、1ファンでしかないんだけど、その言葉を聞くとこちらまで身の引き締まる思いに。推しの口から、生で直接「僕たちデビューします」って聞くことができるのなんて、人生でもう二度とない経験だと思う。コンサートでのデビュー発表って、別にジャニーズで通例の発表方法ってわけじゃない。もし仮にですよ、今後私にJr.の推しが増えたとして。そのグループの単独全国ツアーあって、その最中にデビュー発表があって、発表後の公演に私が当選して参戦できる、なんてどんな天文学的確率!?だって話ですよ。

今回、本当に人生で二度とない奇跡みたいな場にいられたんだな、と思った。だから、この時の気持ちは大事に覚えておきたい。

ちょうど前の日にFCの動画も撮影したんだと教えてくれた。こういうのがあると実感わくよね!とうれしそうに語る彼らに、こっちまでワクワクとした気持ちになった。デビューが決まるっていうのは、こういうひとつひとつ新しい喜びを、一緒に味わっていけることなんだなぁ。嬉しいな。

 

なにわ男子が一度はけて、再びバックについてくれてる子たちのターン。まずはリトかん!りるみら、生で見るのはアオハル振りで2回目だったけど、なんかもうあの時の初々しい王子様を夢見る男の子たち!って感じから、もう立派に王子様になってて、改めて生でその成長を見られて感動しちゃったなぁ。そしてその後のV.I.Pは、リトル以外の関ジュの子たちで。さっきのリトかんとは全く違うテイストの見せ方ですごくかっこよかった…。

で、「次は、ジャニーズしか勝たんメドレー!」という言葉と共に、なにわ男子のターンに戻ってくる。これまでもめちゃくちゃ楽しんでたし、序盤のオリジナル曲ターンでも、「これは確かに“なにわ男子しか勝たん”だわ」って思ってた。けど甘かった。なんだこのメドレー?!まじでここから先語りたいことが多すぎる。なので更に馬鹿みたいに長くなります。

このメドレーからの流れはJr.の今だからこそできるものだし、結果論ではあるけど、デビューを発表したツアーであり、Jrとしてやる最後のコンサートでこのセトリをやった意味って、物凄く大きいと思う。本当に「ジャニーズしか勝たん」だったし、このメドレーをやれる「なにわ男子しか勝たん」って思った。

後半戦、そしてメドレー1曲目。配信で初出だったピンクツイードの衣装を纏って、ステンドグラスが投影されたメインスクリーンを背に歌うシンデレラガールの破壊力よ。これぞ王道キラキラアイドル!華やかな演出と衣装で魅せるジャニーズのコンサート!っていうのを、後半戦のド頭からぶつけてくる。そして次のBig Shot!!ですよ。こういう路線の楽曲も、に合うんだ…無理すき。これ、関西直系の先輩であるWESTの曲かつ、最早ある意味ジャニーズの伝統にもなってるW杯バレーの応援ソング。しかも歌詞にはこれまでのバレーデビュー組のデビュー曲に因んだワードが散りばめられてる楽曲ですよ。そしてWESTからエイトへと関西の系譜を遡り歌うのは、前向きスクリーム!王道キラキラアイドルのラブソング→熱く泥臭いカッコよさのある応援ソング→コミカルさのあるポップな曲というふり幅のでかさ。そしてそこに更に畳みかけるTOKIOのLOVE YOU ONLY。ここまでが立て続けのグループ歌唱ターン。

ここまでの流れのなにが怖いって、まず一つは楽曲のふり幅とそれを歌いこなせるなにわ男子のポテンシャル。「かっこいい!」の意味合いっていうか、ニュアンスがかわるんですよ。もうね、曲ごとに表情がぜんっぜん違う、パフォーマンスの仕方が違う。どの楽曲にもハマる歌声。ずるい。

そしてもう一つは選曲。これがめちゃくちゃ怖い。

・キンプリのデビュー曲→バレーボールデビュー組の流れを汲んだ曲(V6、嵐、NEWS、JUMP、セクゾ)→TOKIOのデビュー曲という、デビュー曲の系譜。

・(しょうれん→)WEST→エイトという関西の系譜。

ジャニーズの歴史と関ジュの系譜の両方の要素を合せ持つメドレーなんですよこれ。繰り返すけど、図らずもデビュー発表ツアーかつJr.最後のツアーでこれやってるんですよ、なにわ男子。彼らがセットリストを考えた時点では自分達がこのツアーでデビュー発表することを知らなかったわけだから、余計にこの符号具合が凄いし、何度も言うけどここまでの4曲、まったく違うタイプの楽曲をメドレー形式で立て続けに披露して、そのどれもが似合うし、それぞれに見合った色のパフォーマンスができるのって本当に凄い。王道=オールマイティ。なんでも似合う。なんでもできる。これって、アイドルとしては最高の武器だと思う。

あと個人的に面白いな、と思ったのは「デビュー曲かつラブソング」なキンプリとTOKIOの曲調や歌詞の対比。「たった一人だけ特別な君」ってとこは共通なのに、「その笑顔を見せて、お姫様」っていう王子様なキンプリと「君の相手は僕しかいない」って自信満々な俺様的なTOKIO、グループの色もそうだし、時代もそうだし、そういうとこの対比が面白いな、と。この2曲をこうやって並べて考えたことはなかったから、いい気付きを得た。

続いてユニットのターン。大西・長尾で「Joy!!(SMAP)」→西畑・藤原・大橋で「君だけに(少年隊)」→道枝・高橋で「欲望のレイン(KinKi Kids)」。

なにわ男子、自分達の魅力とポテンシャルを分かりすぎてないですか!?組み合わせごとに、「最強にポップでかわいい」「大人の男の色気と艶」「theジャニーズのカッコいいシンメ」とぜんっぜん違う方向に振り切った魅力を見せつける。この組み合わせだからこの曲ができる!っていうメンバーの組み合わせ×楽曲のかみ合い方がめちゃくちゃいいし、バックの子たちのパフォーマンスへの組み込み方、衣装のチョイス、フォーメーション、全て本家に誠実な構成なの、すごくない?そしてそれがやれるし似合うのがすごい。日本語のニュアンスにこだわりたい人間なので、「忠実」ではなく「誠実」と表記します。あとこのターン、まっじでメインスクリーンの使い方が最高だった。可動式メインスクリーンって何!?ダイヤモンドの形のフレームが動いて、メインスクリーンが、サイドに縦長長方形、中央にダイヤモンド型、という3分割のスクリーンに変貌する。ユニットだからこそ活きる3分割アングルありがとう……。馬鹿でかサイズで一人一人が見られるの天才なのよ。

Joy!!の色んな人々(ステージ衣装じゃなくスーツだったりとか)を引き連れてのパフォーマンスって、本家のMVの構成踏襲してますよね!?本家は気のいい兄ちゃんたち、ってイメージで、りゅちぇと長尾くんは、怖いものなしの無敵なJK(概念)って感じ。タイプは結構違うと思うんですが、根幹の楽曲の印象が原曲からまったくぶれない。この楽曲の持つ周りを巻き込む明るさ、ワクワク感、弾んだメロディ。こういう、その楽曲の軸となる印象を大切にしてるから、一見するとSMAPとまったく印象の違う2人なのに、ドンピシャ楽曲がハマる。黄色セーラーの衣装チョイスもめっちゃよかったなぁ。

次の年長組は、白スーツにスタンドマイク、三人が向かい合う立ち位置、ってこれ、完全に本家踏襲じゃないですか。7人のなにわ男子のパブリックイメージといえば、若くてフレッシュで、親しみやすくてかわいい。少年隊の大人びた男の色気とはまったく違う位置にいる。けれど、年長組だけだと本家踏襲しても背伸び感が出ずに、がっちりハマるんですよ。シンプルだからこそ魅せ方の技量が如実にでるのに、歌声もダンスも最高にキマってた。もう、ただただ見惚れるしかできなかった…。

これって、楽曲のしっとりとした空気感や独特のパフォーマンススタイル的にも、3人構成がベストなんだろうな、と思う。逆にJoy!!は、大勢を巻き込んで皆で楽しむ!っていう楽曲のテイストだから、メイン歌唱が2人でも曲の印象が崩れない。なにわ男子のカバーは本家に誠実って思うのは、単に本家通りの振付をやってるとかじゃなくて、楽曲の軸となる部分を大切にしているから。

欲望のレインは、…すみません私が本家のパフォーマンスをきちんと見たことがないので何とも言えないんですが。みちきょへ二人の声質と、KinKiの艶めかしさやしっとりとした情感、せつなさがめちゃくちゃハマるな…と思った。ビジュアルの良さもそうだし、この2人って儚さや翳りのある美しさを表現するのがすごくうまいから。そしてこの曲があることで、次の「かっこいいガシガシ踊るダンス曲」のターンに戻っていく流れにもつながる。

ここのユニット3連続のターン、きっちりユニット曲は衣装チェンジして(みちきょへはユニット曲にも合うしその後にも合うシルバーのナポレオンジャケット)、そういうこだわりも好きだし、ユニットパフォーマンスでの選曲がSMAP、少年隊、KinKiっていう、「ジャニーズのエンターテインメント」や「グループアイドルとしてのジャニーズ」の、それぞれの今の源流を作ってきた、本当に偉大な大先輩たちの楽曲なのもめちゃくちゃかっこいい。ていうかここの小さい可動式ステージの使い方もめっちゃよかったなぁ…。そこも動くんだ!?っていう驚きが、まさか終盤に来るとは思わなかったし、7人揃った瞬間本当にかっこよかった。

7人に戻ってのここからの3曲。終盤にゴリゴリのダンスナンバー固めるか!?ってひっくり返るかと思ったし、まじで私は、ここのターンもうペンライトを振ることをあきらめるくらい、茫然と、ただただ圧倒され、見入ってしまった。

セクゾのRUNは、なんだろう。楽曲そのもののメッセージ性が強いのは勿論、がっつり追っているわけじゃない私みたいな人間でも、松島くん復帰後初めて5人揃ってパフォーマンスした楽曲、ということもあって、彼らと強く重ねてしまう曲だ。こういう、グループの経歴を語る上でも大切な楽曲の1つとして挙げられるような曲って、やっぱりJr.がカバーするにあたってのハードルって高いんじゃないかなと勝手に思っていたんですよ。杞憂でしかなかった。

彼らは、なにわ男子は、まっすぐにこの曲を歌い上げた。楽曲のメッセージ性を少しも損なうことなく、今の自分の気持ちをそこにしっかりと乗せて。セクゾの楽曲でこの流れに組み込まれるのがRUNなんだ?ってセトリだけ見たときはちょっと意外っていうか、不思議だったんだけど。

今の、閉塞感漂うこのご時世の中で、アイドルである彼らが、ジャニーズである彼らが届けてくれるものとして聴いたときに、心にぐっときた。楽曲の持つメッセージ性と、アイドルである彼ら自身がリンクして響く曲。これって、アイドルという在り方だからこそ届くものなんだと思う。聴けてよかった。あと、これは私の勝手な印象なんですが、なにわ男子って楽曲強度の見極めめちゃくちゃうまくない?徐々に上がっていくイントロは、ユニット曲からの流れとして不自然な感じにならない。でも、ユニット曲までの流れをがらりと変えて、ラストスパートへ向かうフックとして力がある楽曲。RUNをここに挟み込めるセンスが私はめちゃくちゃ好きだ。

で、この後ですよ。問題は。いやもうここに関しては私の超個人的な問題でもあるんですが。なんせ私は嵐のオタクだ。だからあえて一括りにさせてくれ。RUNからの流れで、truth(嵐)→2 Facedなんて劇物みたいなコンボを!!!こんなLIVEド終盤に持ってくるな!!!!

…これマジでセトリバレ見ずに初見だったら死んでたな。よかった、ネタバレ知ってて。いや、いやぁ。この流れはえぐいて。まじで。惜しみない炎特効に、本家の振付。なにわ男子が嵐の曲やってくれる時って、マジで「本家に誠実」を貫いてくれる。振付であったり、演出であったり。だからもう毎回手放しで喜んじゃうんですよ。いや、もう、最高にかっこよかった。

本当にこれは本当に嵐オタク目線になってしまうのは申し訳ないんですけど、やっぱり大野さんのドラマ初主演作であり、グループ人気がぐんと上がってきた頃合いでパブリックイメージと大きく異なる楽曲をシングル表題曲に、っていうターニングポイントの一つでもある曲だから、楽曲としての盛り上がりもそうだし、本家グループの歴史を語る上でそれぞれ違った意味合いでキーとなる楽曲ってところもそう。RUNからの流れでtruth来るの、めちゃくちゃいい。

ただ、私が震えたのはtruthを歌ってくれたこと自体じゃない。セトリへの組み込み方だ。

まずそもそも「ジャニーズしか勝たんメドレー」って、厳密に言うとどの曲までを指すんだろうか、と考えてみる。

ユニットの前のLOVE YOU ONLYまで?いやでも、SMAP、少年隊、KinKiのラインナップ見たら「ジャニーズしか勝たん」だろって思うし、やっぱユニット曲まで入る?それとも先輩のカバーまでってことならtruth?

実際に「メドレー」としての分類は違うかもしれないけど、前半までのブロックの区切りが衣装替えのタイミングとリンクしていたことや、今回の楽曲のつなぎ方とかいろいろ考えたときに、ジャニーズしか勝たんメドレーを含むブロックというとらえ方をするなら、2 Facedまでと考えていいんじゃないかと思うんですよ、私。なんでこんな回りくどい言い方するかって、怖いから。(さっきからずっと怖いゆうてるなこいつ)

だって考えてみてくださいよ。2 Facedがラストだとすると、ジャニーズしか勝たんメドレーと題し、Jr.としてジャニーズの歴史をなぞるように、少年隊からキンプリまでの楽曲をカバーしてきたブロックのトリに、自分達のオリジナル曲持ってきてるんですよ…!?これを挑戦的と形容せずになんとする。めちゃくちゃ強気に攻めたセトリじゃないですか???

カバー曲の最後にtruthを持ってきたのって、2 Facedへの繋ぎの最適解だったから、だと思うんですよね。このメドレー(ブロック)の趣旨や文脈に合致して、かつ、トリの2 Facedへの流れを作るのにぴったりな曲として。あれだけがっつり本家リスペクトでパフォーマンスしてくれたtruthを、一番の見せ場じゃなく繋ぎとして使えるって、強くない?RUN→truthでピークに持っていって、満を持してクライマックスに持ってこれるだけの力と強さのある曲なんだ、2 Faced…って考えたら、最早怖い。アオハルツアーで初披露だったこの曲、披露回数を重ねるごとに魅せ方の進化が本当にすごい…。きゃーかっこいい!!なんて騒げるレベルじゃなくて、圧倒されて、のまれて、声を失ってしまうくらい。(ご時世的に声出しできないってツッコミはなしで。あくまで感覚の話)。

2 Facedって、なにわ男子のオリジナル曲の中でも転機じゃないですか。それまでのオリジナル曲と全くテイストの違う、カッコいいに極振りしたダンスナンバー。完全に異色作だった。それをほかのオリジナル曲を歌ってきたブロックじゃなくて、このブロックのトリに持ってくるんだ、っいうてか持ってこれちゃうんだ…。だって、この楽曲ラインナップのメドレーの最後に持ってきて、まったく遜色ないどころか、きちんとトリとしての強度あるんですよこの曲。すごい。もう白旗あげるしかないです。降参。負けた。ジャニーズしか勝たん、ていうか、なにわ男子しか勝たん。

 

あまりの勢いとかっこよさに圧倒されてたら、アホ新世界→関西アイランドですよ次。温度差!!!アホ新世界、生で聴ける機会あって本当に嬉しい。2曲ともめちゃくちゃ楽しいんだけど、やっぱりコールしたい~!!!気づけばコールや振りが頭に入っている関ジュ曲すごい。マジでなにわ男子がデビューコンできる頃にはライブで声出しできる世の中になっててくれ、頼む。あ、ていうか、この手の楽曲、もしかしたらもうなにわ男子が歌ってるの聞ける機会ないかもしれないのか。関ジュ全体曲、好きなんだよな私…。そこはやっぱちょっと寂しい。来年またドリアイみたいなライブしない????

でも逆にいうと、デビューしたら、なにわ男子だけのライブ定番曲が生まれるかもしれないんだなぁと思うと、それはそれですっごい楽しみ。

 

最高に楽しい2曲が終わると、挨拶のターン。ああ、もう最後になるのか、早いな。途中でジャケットを脱いで、白いシャツの衣装に。1年半ぶりの有観客LIVE、初めてのアリーナツアー、そして、デビュー。沢山のものがのっかったツアーだから、それぞれが大切に、まっすぐに、言葉を届けてくれた。たくさんの国に行けて〜といった恭平や、九州を9県あると勘違いしていた長尾くんには笑っちゃったけど。

そして、全員の挨拶が終わる。綺麗な真っ白いシャツを着た7人が歌う、Time View。この曲を、このタイミングで、生で聴けるの本当にうれしい。思えば今回って、オリジナル曲全11曲全部セットリストに入ってるんですね。オリジナル曲全部入れても、アオハルとも、ドリアイとも、shall weともまた違うコンサートとして、しっかり確立されるんだなぁ。すごいな。

 

アンコールの、SPL→バンバンッ!!は、オレンジ×水色衣装の上に、今回のツアーTを合せた格好で。かわいい。もうね、とにかくかわいい。目の前に来てくれるメンバー達が可愛すぎて、今ここでしか見れない!って思ったら目が足りないのよ。花道やリフターで来てくれるとよくわかる。生で見たら顔ちっちゃいのに目はおっきい、マジで顔がいい。皆キラキラしててめちゃくちゃかわいい。

本当にラスト。いつものように彼らの名前を、私たちは叫ぶことはできないけど。その分俺らが!とでもいうように、最後の最後、ステージから顔が見えなくなるまで、ずーーーっと全員がなんか喋ってる。順番も何もお構いなしに、皆が口々に沢山の言葉をくれる。

だから…なんていってるか全く聞こえない!!!!!!!笑 最後の最後めちゃくちゃ笑っちゃった。

 

ジャニーズのコンサートを生で見られたの、本当に久しぶりでした。思えば最後に現地参戦できたの、アオハルツアーなんだよなぁ…びっくり。最高に楽しいコンサートだったし、あらゆる出来事ががっつりうまいことかみ合って、「今このセトリのコンサートがあった意味」がどんどん大きくなって、そんな場に居合わせることができて幸せです。

こんなにも誠実に真摯に楽曲が映えるような演出、構成、衣装、パフォーマンスでライブをやってくれる彼らが、自分達の持ち歌だけでコンサートを作るようになったら、いったいどんな景色が見られるんだろう。今ある11曲もどれも本当に大好きな楽曲で、1曲増えるたびにめちゃくちゃ喜んでたんだけど。今度からは、シングルが1枚出る度に、カップリング曲とあわせて数曲一気に楽曲が増えていくようになるんだ。いままでのオリジナル曲って、シングルに例えるならどれも表題曲だと思うから、カップリングでは、どんななにわ男子の音楽が聴けるようになるんだろうってワクワクする。

これまでは「なにわ男子らしさ」の詰まったコンサートをしてきた彼らが、オリジナルアルバムを引っ提げて、「アルバムコンセプト」を軸にしたコンサートをやるとしたら、どんな世界観のコンサートになるんだろう?アルバム製作段階からどういう方向性のアルバムにするか、どんな楽曲にするか、ってのに本人達が関わって、それを元にコンサートを作り上げていくわけでしょ?それって、Jr.の今とは全く異なるコンサートへのアプローチじゃないですか。めちゃくちゃ楽しみ!!!