A✕A✕A

テニスと芝居とアイドルと

二輪咲きは新たな絶望を残してゆきました

LILIUM感謝祭のDVDをようやく見ましたので、その感想をば。

以下LILIUM、LILIUM感謝祭(二輪咲き)の他、TRUMP(Dステ版)、SPECTERに関する事項も含まれますので、ネタバレ注意です。

 

 

さて、リリウム感謝祭、円盤化するかわからない…と言われていたので、思わずレポ等々をあさっていたため大まかな構成と二輪咲きの展開は知っていたわけです。その時点でも結構ショック大きかったんですけど。改めてこの構成は鬼だな、と。

一部:新作短編の二輪咲き

二部:トークショー

三部:リリウム劇中曲ライブ

 

一部の二輪咲きを見たあとだと、そのあとのライブパートがただのライブじゃなくなる。

劇中曲を"ほとんど"(ここ重要)作中の流れ通りに行われるわけですが、二輪咲きを踏まえて、(さらに言うなら、リリウム後上演されたSPECTERも踏まえて)リリウムのストーリーを追うことができる、

それも一部新規セリフが追加されることによって、リリウムの再現ではなくその先すら描かれているライブパート。

これはもはや、加筆修正された再演に近い位置づけではないか、と思うわけです。そんなもの見せられたらそりゃもう、無理でしょ(唐突に語彙力のなくなるオタク)

 

さて二輪咲きの感想。

まず今回キーになる新キャラクターは2人。リコリスとピーアニー。

リコリスは、ストーリーを読み解く上で、というよりもキャラクターを読み解く上で重要なキャラクター、ピーアニーはストーリーを読み解く上で重要なキャラクターです。

 

ここではピーアニーについて。

本編では、真相に近づいた結果命を落とし、皆の記憶から消えてしまったシルベチカがいましたね。そして、ファルスに近しい存在になりかけていた、リリー、スノウ。

そんな彼女たちに類似するポジションを本作で担うのが、ピーアニー。

本編でスノウを刺そうとしたファルスが、けれど刺せなかったというシーン。あの背景には、ピーアニーの存在がある。

ピーアニーは、適合者(ファルスと同じ不老不死になりうる存在)に選ばれた。ファルスはそれを確かめるべく彼女を刺す。しかし彼女はそのまま死んでしまった。彼女はファルスの実験において、初の適合者となりうるもの、だったのかな?あるいは今までの中で一番成功に近い出来だった。だからこそ彼は迷いなく刺した。

結果は、失敗だった。だからこそ、もし成功だと思ったものがまた死んでしまえば僕は一人だ、と。彼はスノウを刺せなかった。

ピーアニーの存在は、リリウム軸でのファルスの行動の理由、スノウがいつごろからファルスと共犯的関係になったかのちょっとしたヒントにもなっている。

 

こっからはファルスの話。

ピーアニーの時にファルス…いや、ソフィは。

「ピーアニーはウルにはなれなかった」と言った。彼が求めているのは、永遠に枯れない花=自分と同じ永久を生きる存在じゃなかった。あの日失った唯一の友、ウルただ1人。永遠を望み命を落とした彼の変わりを、彼(の望みを叶えうるもの)をただ求めていたのだ。自分の血からなる薬をウルと名付け、ウルを作ろうと。

そして、ファルスはイニシアチブの効力が薄れてきた≒不老不死に近くなったものを

「僕になろうとしている」と表現する。

TRUMP軸から永い時を経てなおウルをここまで思う彼に、ウルの最期の「生まれ変わったら、僕は君になりたいな」の言葉が残っていないわけがないんじゃないか、って。 

「ぼくはTRUEじゃない」と激昴するファルス。真(トゥルー)ではない、偽り(ファルス)を名乗る彼は、あれだけ憎んだTRUMP―クラウスと同じことをしている。
私はこの点において、LILIUM軸のソフィは、TRUMP軸から長い時を経て変わってしまい、ファルスになってしまったのだと思っていた。
しかし二輪咲きのファルスは、ウルへのこだわりや、星に手を伸ばすあのシーンから、ソフィとファルスの間のゆらぎのように感じられた。LILIUMのとき思ったように、2者が乖離したものではなく、ソフィであり、ファルスだったと思えた。

 

そして、ライブパート。
まず初めに、まるであのLILIUM軸を回想するかのようなファルスのセリフ、序盤のキャストパレードとしてあった「Eli, Eli, Lema Sabachthani?」をラストに持ってくる。
ここが、曲順として本編と大きな変更のあった箇所。
そしてそこから、本編にはなかった話。ライブパート冒頭と同じ軸で、夢か現か、ファルスはリリーと再会する。
あの瞬間、ファルスは知るはずだ。リリーが永遠に枯れない花になった、あるいは最もそれに近い存在に既になっていることを。

奇しくも父:クラナッハが最初で最後に、生まれたばかりのソフィに願った「リリー(百合)のような永遠に枯れない花を作ってくれ(意訳)」を、リリーという少女を自らと同じ永遠に生きる吸血鬼と化してしまうことによって、叶えてしまったソフィ。
そして、ソフィとリリーという名の繋がりは、初代の臥萬里(本名:ソフィ)とその妻リリーからも繋がってゆく。
しかも語られなかったからわからないけれど、可能性としては「ノーム(TRUMP軸のガ・バンリ)」が初代萬里が息子だった可能性もあるからな…、輪廻のウロボロス…。
繭期シリーズを一通り見たあとにLILIUMの劇中歌の歌詞を考えると刺さる歌詞多すぎてしんどい…しんどい……。

ところでアンジュルムと娘。メンのリリウム出てなかった組を感謝祭に組み込む都合上リリウムに登場しなかった新キャラが出てきてたわけですけど。
彼女たちはリリウム軸の時にはモブとして存在してたのか、既に亡くなっていたのかって考え始めるとまた鬱ですねこれ。

長くなったのでここできります。リコリスについては次回。

その時確かな未来を見た。

5月30日「九位一体 田村芽実卒業スペシャル」ライブビューイングにて見に行きました。

コンサートツアー初日大阪公演を見に行き、あまりの戦闘力と素晴らしさに衝撃を受けました。ホールで見る、ライブハウスの時にあった場所や音響設備等によるリミッターのなくなった彼女達は、ほんとうに戦闘集団というべきパワーを爆発させていたのです。(本当はめいめいの卒業前にホールコン初日の記事を書き上げるつもりが間に合わなかったのミックスして書きます)

 

ホールコン自体のセトリがわかってて、演出も大きく変わらないだろう。一部楽曲がなくなって卒業スペシャル感がある公演になるんだろうな、とは思ってたんですが。

そんなレベルじゃなかった。

たしかにセトリは大体同じ、大きく変わったと言えるのは3箇所。けれどその3箇所が入る事によって、そしてなにより。更なる大舞台になったことによって、あのホールコンとはまったく別物になっていた。

ホールコンの時、op映像のモノクロの中唯一色づくマーブリングという演出でまず鳥肌が立ち。なんだこのおしゃれでかっこいい映像!って。そのあとからの次々続々はもうかっこいいなんてレベルじゃなかった…と思っていた。

ら、武道館。更に進化してた…。

せり上がるセンターステージ、無数に繰り出されるレーザー、「Are you ready ANGERME ?」という機械音声からの、まるで軍隊のような攻撃力を持った彼女たちのパフォーマンス。V6のコンサートみたい、という言葉を見かけたけどそれに納得してしまうくらい演出が神がかっていた。ジャニーズのコンサートって、ホント「ショー」ってくらいに作りこまれてるんですよ演出。

それぞれの挨拶、まるで選手宣誓のようなそれは、彼女たちライブにかける決意と自信が見て取れて。めいめいの言葉に泣いてしまった。

さてここからはホールと変わらぬセトリが続きます。

最新シングル曲→アルバム新曲という、「ずっとライブで披露してくれるの待ってた!」という曲たち。「カクゴして!」は絶対ライブ映えすると思っていたし、めいめいのいるうちに「マリオネット37℃」は絶対に見たいと思っていたんだ。マリオネット37℃は、舞台チックな楽曲で、振りもほんとうに操り人形のよう。特にめいめい、本当に表現力素晴らしかった。しかもあいあいがかなりいいポジションをもらっていて彼女の成長を見れた。

ホールとの違い、最初の楽曲。「ブギートレイン」が「プリーズミニスカポストウーマン」に。この楽曲は、めいめい含む2期が正規メンバーになって、はじめて出たシングル。後ろには当時のMVが要所要所で流れるというにくい演出まであって。そりゃこんなん泣きますよねっていう。

さて、私がまず絶対変わるだろうと予測していたメドレーターン。まろ卒の時のようにデュエットメドレーくるか…?と思いきや、そうじゃなかった。後輩4人を引き連れてのスマ曲2曲メドレー、そして1人1人とのデュエットパートがあって。まるで教え子と先生のようだった。この時点でも、やっぱりうるうる来てたんだけど。

そのあと。3期4期と歌ったってことは、このあと初期2期…?それともぐんまーず、アメリカって分けてくる…?なんて思ってたら、

めいめいの歌いだし「出会ってくれてありがとう」

私の涙腺は決壊した。「抒情組曲スマイルファンタジー」彼女の歌声は、アイドルのそれではなかった、ミュージカル女優のものだった。

そしてこの選曲。舞台「スマイルファンタジー」を見たことがあるオタクがこの曲を聴いて泣かずにいられるわけがない。この曲で、目に涙を浮かべるメンバーを見て、さらに私の涙も溢れた。絶対に追加されるだろうと思っていた「交差点」がこのあとに来て、なんだこのセトリ!?泣けと言わんばかりじゃないか!!!!

交差点では涙をこらえながらもめいめいへ向け歌い上げるメンバーと、それを暖かな、けれど確かな決意をもって、まっすぐ見守るめいめい。まろの卒業のときが重なって。切なさや寂しさをこらえながら違う道をゆく仲間を送り出す歌。

そのあとにめいめいの「もう、止めたりできないよ」とセリフから始まる「恋ならとっくに始まってる」

ああそうだ。彼女は進んでいくんだ、新しい夢へ。ってストンと落ちてきた。

この曲、ほんと刺さる。なによりさっきまで涙を浮かべていたほかのメンバーも、振り切ったようにかっこよく歌い上げるんだ。

このあとにアメリカのトークが挟まって。「りかこカモーン!」呼び込みとともに始まる、ちょいカワ煽り。まろ卒の時にまろから2期へと受け継がれたそれは、めい卒で3期

に引き継がれた。これにもすごくグッときたなぁ、そっから真打ち登場とばかりに「アンジュルムラストスパート!日本武道館の皆ついてこい!」とめいめいが登場したときはほんっと鳥肌立った。

ここからはアンジュになってからの盛り上がり必至曲が畳み掛けてくる。友よとスキちゃんがホールと武道館でセトリの位置変わってたのにはびっくりしましたね。

ホールツアーの時、あれだけ攻撃力満載に本編終えておきながら、アンコール一発目に出す杭持ってこられたとき「鬼だ!!!」と思いました笑

めいめいのソロ、何来るかなぁと思っていたら「自転車チリリン」

昔の洋画やミュージカルのヒロインのようなレトロなドレスを着ためいめい。彼女の浮かべる表情、歌い方。どれも女優だったんだ。アイドルじゃない。私が見たのはアイドルのソロ曲じゃくて、女優の繰り広げるミュージカルのワンシーンだった。

このあとに持ってくるのが「旅立ちの春が来た」だからまたずっるい。

ラストに友よで「ああアンジュルムって最高だな」って幸せになれた。

間のバーベキュー映像も、トークも、めいめいと皆の絆と仲の良さがただただ伝わる、幸せで、笑える時間で。

 

今回のライブ、あやちょは自信しかないと言っていた。

見て納得だよ、最高だった。私は今、寂しさより楽しみしかないんだ。もし、今回のライブが「アイドルめいめいの集大成」だったら、きっと私はもっとずっと寂しかった。でも違うんだ。「アイドルのめいめいが、女優田村芽実としての鱗片を、未来を見せてくれる」ライブだった。楽曲でのパフォーマンスもそう。表情のつくり方、魅せ方。

スマイルファンタジーや自転車チリリンでの歌い方。そして、恋ならとっくにや旅春の歌詞を聞かされたら、そして手紙でのメッセージをきいたら。この子は絶対すてきな女優になって、夢を叶えて戻ってくるって信じられた。というか確信できた。

そして、ほかのメンバーのパフォーマンスや振る舞いを見てて、アンジュルム今後もっともっと最高を更新し続けるんだろうなぁって。

 

こんなにも清々しく晴れやかな気持ちで、推しであるめいめいの卒業を見送れて本当によかった。女優になった貴女を、板の上でみれる日を心待ちにしています。

宝塚から少女漫画に

モーニング娘。’16春ツアー2016「EMOTION IN MOTION」福岡夜公演行ってきましたー!はい、というわけで感想です。いつの話だよというツッコミはそっと胸にしまってくださいね!!!(※コンサートは4月10日に開催されたものです)

 

基本的に初日セットリストのバレは見ちゃう人間なのですが。今回セットリストの中に含まれているとある曲に、私はめちゃくちゃ嬉しくなりました。「チケット取れててよかったー!!!」と叫びそうになりました。

 

その曲っていうのは、ハロステでも取り上げられた「Mr.moonlight~愛のビッグバンド~」!

 

この曲は私が幼少期にモー娘。にはまっていた頃、めちゃくちゃ好きだった曲でした。というのも、この曲は男役3人メイン、それにほかのメンバーが娘役という構成の、まるでミュージカルのような雰囲気すらある楽曲。中性的な人(かっこいい女性とか)にはまりやすい、かつ舞台を見るのが大好きだった私が、はまらないわけがない曲。

 

それ推しであるくどぅーにやってもらえる、ということが判明し、かつハロステで映像見て「え、私これ生で見れるの???死なない????」なんて思ってたわけで。

 実際に生で見て…かろうじて生きてます大丈夫ですってくらい、ただただほあああって感嘆するしかできませんでした…。

 

元祖の3人は、男装の麗人っていう感じで。まさしく宝塚の男役のような風格。歌唱も含めて王道正統派ミュージカル!といったテイストに。

さてミスムンパフォーマンスといえば、次に語るべきはこの人でしょう。高橋愛

愛ちゃんのミスムンは王子様でした。舞台歌唱的歌い方にあのビジュアルで本当に王子様のようなかっこよさだった。

 

で、今回。くどぅー、えりぽん、まりあの3人が男役。ここにまりあをいれてくれた人に感謝しかない…。元々イケメン枠にカウントされてた2人に正統美少女なまりあをいれて、でもそれがまたはまっていて。

で、この3人なんですが、美少女なんですよ。めちゃくちゃかわいいんだ。でもイケメンだった…。まだ若いってのもあるんだろうけど、細身でスラっとした、そして凛とした美しさかっこよさを兼ね備えた3人のビジュアルに、女性としては少しハスキーな低めの歌声。3人は歌唱面っていうポジションではないんだけど、だからこその未成熟な魅力が、彼女たちをまるで少女漫画のヒーローのように見せてくれた。

この曲って、この独特な歌割編成(男役メイン3名にほかの娘役がコーラス的位置づけ)で、だからこそこの男役を誰がやるかで曲が与える印象は全く違ったものになる。

大好きなこの曲を、新たな形で生で見ることができた幸せよ…。

メンバーの卒業加入を繰り返してきた娘。だからこそ、受け継ぎつつも新たな形として魅せてくれるんだなぁ、と。

ほんと、私はこの曲を、この3人メインで見ることができて、本当に嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジュルムって9人だよね?!

このアホ全開なタイトルはミスじゃないです、正式な人数把握してないわけでもないです。

 

てなわけで(?)アンジュルムライブツアー2016春 『九位一体』佐賀昼公演、福岡夜公演行ってきました!

(※ネタバレ普通に含みます)

 

さてまず忘れないように回替わり。

昨年の春、秋ライブツアーではソロMC1人+ソロ曲3人、という構成でしたが今回は違いました。今回の回替わりコーナーは大きく分けて3つの構成。

1つ目→『○○頑張らなくてもええねんで!!』ガチンコ抽選選抜4名

その場の抽選(MCかななん、ボックス持ってくるのはかみこ)で、赤いボールを引いた人が歌う。しかも赤ボールには歌わりを示すABCDの文字が書いてあり、歌割も初期スマ準拠でその場で決まるという仕様で、スタンドマイク+ステッキという初期スマ再現。

佐賀の昼はかななん、あやちょ、かみこ、むろたんの4人でした。

かななんとあやちょは結構うろ覚え箇所あり&ダンスミスありで、かみこがむしろ一番パートちゃんと歌えてた(ツアー3公演、今のところ全て当選しているらしい)。ダンスはちょっと危うかったけどw でもその場で歌うメンバーも歌割も決まる、っていうぶっつけやっちゃえるのは本当にすごい。

福岡夜では、めいめい、りかこ、たけ、かななんの4人。

と、ここでハプニング。マイクスタンドを用意した時にたけ「このスタンドちっちゃい!かみこ使ったやつでしょ!」りなぷ「たけも小さいでしょ」なんてやりとりをしてたら、なんとスタンドがガクンッとさらに低く下がる。おもしろがったほかのメンバーがもうそのままいこう!とはけてしまい、かななんが曲のタイトルを告げたもんだからそのまま始まってしまいます。たけはずっと中腰で頑張ってた。しかしクオリティは佐賀昼よりも高かったw

 

2つ目→『SHALL WE LOVE?(ごまっとう)』回替わり選抜3名(パート固定?組み合わせ非固定)

佐賀昼はめいめい、りなぷー、かみこでした。めいめいの表現力と魅せ方がとにかく素晴らしくて惹き込まれまくる、りなぷーもばっちり聴かせてくれて、かみこもめっちゃ歌声が合っていて、とてもバランスよく魅せてくれる3人でした。

てっきり組み合わせも固定なのかと思い込んでいた私。福岡夜で唖然。

佐賀昼から、間に佐賀夜・福岡昼と挟むので、回数的には昨日と同じメンツかな、なんて予想したわけです。

センターに立つのは昨日と同じめいめい、そしてあとの2人は…なんとかななんとあいあい!え、組み合わせ変わるの!?と驚愕。

めいめいのポジションが一緒だったのでおそらくパートは変わらないと思うんだけど(そこまでやるのは流石に無理だと思うし)、ただ確定情報ではないので「?」ということで。

歌うメンバーが変わると印象ガラリと変わりますね、かななん・めいめい推しの私大歓喜。3人構成の楽曲でこの2人が一緒に歌ってるのを生で聴けるとは…。そしてなによりこの曲をあいあいが十分歌いこなせて2期2人にまったく引けを取ってないという恐ろしさ。どれだけ成長していくんだ君は…。

めいめいラストだから、ソロ聴けなかったのは残念だけど佐賀でめっちゃいいなと思っていたSHALL WE LOVE?二回聴けたし頑張らなくてもええねんで!!も参加してるの見れて本当によかった。

 

3つ目はソロコーナー2名

佐賀昼はかななん『スッピンと涙。(後藤真希)』、りかこ『絶対解ける問題X=♡(松浦亜弥)』かななんの可愛らしさとしっとりさを併せ持つ歌声とこの楽曲の親和性ほんと最高だと思う。可愛い声の安定感がぐっと増してるしなにより表情がいい。りかこはほんと盛り上げ上手、ステージ駆け回って客を煽って、ザ・アイドル。煽りにうまく乗れてない客にちょっとむくれ気味なのが可愛かった。

福岡夜はかみこ『青春コレクション(モーニング娘。)』、りなぷー『VERY BEAUTY(Berryz工房)』それまで堂々としたパフォーマンスを見せていたかみこだけど、ソロでは初々しさ全開でまだすこし照れがあるのかな?という感じ。しかし歌声はしっかりして綺麗だったしダンスもばっちり。りなぷーはもうほんと、まろがいっていたように可愛い曲を歌う時の声が最高だな、と。この曲との相性抜群。

 

まず1つ目に関してはまじで抽選なので、歌割含めて完全同じ組み合わせになることは確率的にほぼほぼ無い、2つ目もパートは変わらないとしても組み合わせは変わるので、同じ3人組になる回数もおそらく結構少ない。それにソロコーナー、これまで3人だったのが2人になるのでやっぱり回数は少なくなる。

というわけで、何回入っても楽しめるライブだなぁ、と思う。DVDが仮に出るとしたってこの回替わりコーナーはどう頑張ったって網羅できないくらいのパターン数ですよ…。しかもこれ、回替わり実質9枠あるので(1つ目がその場抽選のため偏ることはあるが最低でも5枠)、推しにあたる確率もぐっと高くなるんですよね。

今回の回替わりコーナー、何がすごいって一人あたり

・『○○頑張らなくてもええねんで!!』4パート全て(ダンス含む)

・『SHALL WE LOVE?』1パート(おそらく)

・ソロ曲1曲

と、パートを1曲カウントするなら6曲分覚えなきゃいけないんですよ。その他のセトリにプラスして。まろが抜けた分の歌割やダンスの変更だってある。同時期にあったハロコンのだって、自分たちの持ち歌以外にもユニットシャッフル、メンバーシャッフル、全員曲をやるというのに、それと並行して。

どんだけすごいことやってるんだ、っていうのは後になって思うこと。あまりにも楽しそうに、最高のクオリティで魅力的に見せ付けてくれるもんだから見てる最中は意識してなかったんですよまったく。しかもそれに完全なる新人から初ステージからまだ1ヶ月半くらいのかみこがついていけてることが一番恐ろしい。相当すごいぞこの子。

 

さてセトリについてです。

一発目からドンデンガエシで強制的にテンションを一気に上げさせられるこの興奮と楽しさったらないですよ、ペンライトや合いの手も揃ったライブハウスって圧巻だなぁ。あとハロステの時にも思ったけど衣装がとても可愛いリリウムっぽさのある白×黒の衣装最高。

MCは相変わらずフリーダムさ加減と仲の良さを感じさせていて。そこからのセトリはスマイレージ時代の楽曲たち。それがまたもう可愛かったりノリやすいようなテンションがあがる曲ばかり。そのあと一旦MC挟んでしっとり聴かせてくれる曲が続く。驚くべきはその振り幅の広さ。ドンデンガエシでの爆発力とかっこよさを聴かせてくれた彼女たちは、とことん可愛いアイドル曲を歌い、しっとりとした恋愛曲で世界観に引き込む。しかもこれまでライブで歌われてなかった曲が今回沢山セトリに組み込まれてました。

そして回替わりコーナーでは個々にスポットが当たるから、さらに個人の魅力に翻弄される。

そして、ですよ。アンジュルムになってからの楽曲の数々が畳み掛ける後半戦は疾走感とエネルギーに満ち満ちていて会場の熱気が爆発する。

アンコールは大器晩成でアンジュルムとしての爆発力を見せつけておきながら、こんにちは、こんばんはで可愛らしく、すこしだけしっとりさせながらしめるというずるい構成。この曲実は初めて聞いたんですが舞台『スマイルファンタジー』のか~てぃんこ~るんるんを思い出しました。

 

今回のツアーに参加して思ったこと。アンジュルムって本当に9人だけなの?!ってことだ。

まるで戦闘集団のようなかっこよさでこちらを煽ってきたかと思えば、ザ・アイドルと言わんばかりの可愛さ全開な姿を見せてくれ、その後には色っぽく切なく歌い上げる歌姫たち。曲によって歌声がまったく変わるのだ。個人の歌声だけじゃなく、ユニゾンの歌声すら全然違うものになる。

そして、表情もまったく変わる。自信に満ちた着いて行きたくなる勇ましい不敵な笑み、男らしささえ感じるかっこいいダンス。

楽しくて仕方ないという全開の笑顔にわちゃわちゃとした楽しそうな雰囲気、華やいだ乙女ちっくな可愛すぎる表情や仕草。しっとりとした大人びた、憂い顔に色気。女性的なカッコよさと色気を兼ね備えた魅惑的な表情。

彼女たちは何人いるんだ!?なんて馬鹿げた疑問が浮かぶレベルで、曲ごとに完全な別人になっていくのだ。

それから、彼女たちの表現力の凄さ。全身余すとこなく使って魅了してくる。

特にあやちょやタケちゃんのパフォーマンスは、髪の毛まで踊ってる、表現の一部となっていると感じるほど。そしてこれはどのメンバーもなんだけれど、ダンスがうまい下手、じゃない。魅せるダンスをしている、と思った。そしてダンスにもかなり個性が出ているのに、それがちぐはぐに見えない、かといってこじんまり収まってるようにも見えない不可解さ。

また、ダンスをばしっと決める曲ではとにかくかっこいいのに、自由な振りの時にはメンバー同士のアイコンタクトや、ちょっかいかけたり、っていうのが期を問わず仲良くわちゃわちゃしてて、可愛すぎて面白すぎてもう目が足りなかった…。

それから次々と切り替わるパート、そのどれもが素敵なんだ。単純な歌唱力だけじゃなくて、曲を、歌詞を表現する力がみんな十二分にあって、歌声には魅力的な個性があって。なのにユニゾンは綺麗に響く。

ビジュアルメン、スキルメン(歌唱メン、ダンスメン)なんて分け方をしたりもするけど、アンジュルムは全員が全て兼ね備えている。全員歌えて踊れて物凄くかわいい。

完全にダンスだけの選抜メンバー3人、歌唱メンバー6人という構成で披露される七転び八起き。ダンスメンバーの1人であったまろが抜けたダンスの穴を誰が、どうやってうめる?なんて思っていた。アンジュの中でダンス巧者と言えばタケちゃん?と思っていたら、ダンスの穴を埋めるのはむろ。そして、結構要所要所を任されていたむろのパートを引き継いだのは新メンバーのかみこ。

誰でもどこでも入れます!ってくらいに人材の揃いまくってる感がすごい。なんというかもう、頼もしさしかない。まろの歌割はそのまま誰かに綺麗に引き継がれる、ではなかった。いろんなメンバーに分散して割り振られていて、臥薪嘗胆の出だしのまろのロングパートが3期4期に割り振られている嬉しさ。スマ時代の曲の歌割も全員にバランスよく。

多幸感、という言葉で片付けるにはパワーがありすぎる彼女たちのこのパフォーマンスをどう表現するのが的確なのか、もうわからない。それくらいに力のあるライブでした。最高だ…ホールコン行きたい………。広いステージで全開に花開く9人の天使たちを見たい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロコン感想

というわけで1/31 ハロコン2016冬福岡公演行ってまいりました!

ハロコン冬福岡は、奇しくも去年と同じ日程。つまり、私が初めて参戦したハローのコンサートから丸一年経ったということになるわけで、一年ぶりのサンパレスにちょっとしみじみしつつ。

単独に参加したのはアンジュコン2回(ライビュいれたら3回)、娘。コン1回のみ。というわけで、ほかのグループはきっかり1年ぶり、こぶしやつばきに至っては、生でパフォーマンスを見るのは完全に初めてである。それに新体制の娘。アンジュ、カンガルを生で見るのも初めて。というわけでわくわくそわそわどきどきしながら会場へと。

セトリやレポなんかはもう他の方々が上げてくださってるだろうから、私はただただ感想を書くだけである。

運良く目の前が通路の席だった私は、目の前で可愛くてキラキラしたアイドルが、確実に視線の合う位置で歌って踊っているという最高なシチュエーションにいたわけです。もう沢山来てくれすぎてテンパっちゃって誰が目の前に来たとか書ききれないんだけども。

そして私は、目の前の研修生ちゃんたちに打ち抜かれた。研修生まで追いかけてしまったらちょっと収拾つかなくなっちゃうやばいやばい、なんて思ってから、私は彼女たちの名前が分からない。多くの人が、ステージにいる推しを見ようとしている中で、通路にやってきた彼女たちは表情を曇らせることなく全開の笑顔で、精一杯全力でダンスをし続けるのだ。そんな姿を見ないでいるなんてむりだった、眩しい笑顔のトリコになった。ああ、ちゃんと顔と名前を覚えていれば今日目の前に来てくれたその子を推せるのに!!!と後悔しました研修生かわいい…。

 

こっからは簡単なユニット別の感想をば。

つばきファクトリー

あんまり目にする機会がなくてですね。だから実ははっきりとした印象付いてなかったんですが。少し自信なさげなイメージもあって。まだまだ蕾のような印象だったんだけど。堂々とパフォーマンスをする彼女たちから花開く美しさを感じた。蕾が少しずつ開花して、花弁の色が見え始めているような。色気もあって。匂い立つ花だと思った。まだつばきは推しを定められてないですね…。

 

こぶしファクトリー

力強さと勢いを強く実感したし、すでに新人っていう括りじゃなくて、しっかりしたステージングだったなぁと。初めての念念披露のインパクトを思い出した。彼女たちのパフォーマンスのパワフルさはすごい。でも、がなりの力強い楽曲の印象が多いけど桜ナイトフィーバーでは可愛らしさもあって振り幅の広さに期待大。もっといろいろ歌ってほしいな。こぶしは野に咲く花、という印象。雨にも風にも負けない、大地にしっかり根付いた花。猪突猛進聴けてよかった!特に目を引いたのは浜ちゃんとれいれいかなぁ。

 

カントリー・ガールズ

可愛いだけじゃなくなっているな、思った。勿論いい意味で。新人2人は研修生からってこともあるんだろうけど堂々たるパフォーマンスでほんと新人とは思えなかった、まったく。特にふなっきの歌声の安定感すごい。新曲のブギウギLOVEは、今までの「可愛い路線」とはちょっと違う感じだったし、ダンスも意外と複雑。それをさらっとこなすどころか「魅せる」域にすでにいるのがすごい。トークも面白くて、グループとしてどんどん良くなっていくなぁっていう印象。気になるのはやっぱりまなかん山木さんのお姉さん組です。

 

Juice=Juice

かなともを欠いた4人でのパフォーマンスなのに、いや、だからこそ?なのかな圧巻の一言。グループとしては最小の人数構成のはずだけど、その歌声の力がすごい。1人1人の歌唱力も、ユニゾンの美しさも。歌声の魅力がいっそ暴力的ですらある。そしてやっぱり、色気つよいな、と。色気のあるかっこよさを感じた。全員揃ったパフォーマンスも見たいなぁ。武道館も始まるから楽しみ。そして私が特に気になったのはやっぱりさゆきでした。あの歌声に惹かれずにはいられない。

 

モーニング娘。´16

鞘師っていう大きなエースを欠いた彼女たちが見せる楽曲は、どれも鞘師のラストシングルから。歌声だけじゃなくて、ダンスでもセンターにいた彼女の場所が空いている、というステージから漂うのは悲壮感じゃなかった。泣きそうになったけど、それは鞘師がいない悲しさとかじゃなくて、ただ胸が締め付けられるような感覚。きっと、彼女たちが前を向いて、地に足つけて、鞘師の穴を埋めるなんて消極的なものじゃなく、´16として自分たちで進む、っていう決意があったように思える。元々好きだったくどぅーに加え、まりあの表情の魅せ方に打ち抜かれてます。

 

℃-ute

安心安定トップグループ。ハローの中ではトップグループでありお姉さんグループっていう位置なんだと思うけど、パフォーマンスからもそれは強く感じる。これまでの積み重ねによる自信がある。わちゃわちゃとした感じも、長年の絆を感じさせるような。楽曲もね、感動するとかそういうんじゃなくて、ただぐっとくる。心に響く。存在そのものが、心を揺さぶる。そんな感じだった。圧巻。なっきぃが気になるかもしれないと思い始めた今日この頃。

 

アンジュルム

推しなので最後に持ってきちゃいました。かにょん卒業してかみこちゃん加入してから初めて見るパフォーマンス。 最も爆発的なパフォーマンスでもって、会場の熱気を煽ったのは彼女たちだと、贔屓目なしに思ってる。GRやハロステで聞いたかみこちゃんの歌声はすごく澄んでて綺麗だったけれど、最近のパワフルなアンジュルムの楽曲とあうのかな、とは思ってた。結論としては心配無用、ソロパートもしっかり歌いこなしてた。初々しさはまだあるけれど、もう新人じゃなくてちゃんと一員だった。そんな私はかななんめいめい推しです。

 

今回のハロコンの見せ場はユニットごとの楽曲シャッフルだと思うんですよ。

私が特に語りたいのはこの2つ。アンジュルムに念には念、娘。にミステリーナイトをあててくれてありがとう…!

娘。のミステリーナイトは、さくらやふくちゃんの色気が発揮されまくってましたが何より、くどぅーが…!!「今夜一人を選べるかな」をくどぅーのソロパートにしてくれたの本当にありがとうありがとう…。あのパートは色女のパートじゃなかった、色男だった…。イケメンだった…。

そしてアンジュルムの念念は、爆発力×爆発力=パワフルさMAX!な最高すぎる組み合わせ。かななんとめいめい推しなので「念には念をいれるんだ」を2人が担当していたことで大興奮でした。みんなそれぞれがなりもすごく決まってたんですよ…ほんとうにこの組み合わせ考えてくれた人は素晴らしい。

 

忘れないようにシャッフルコーナーのメモをば。

お願い魅惑のターゲット(牧野 勝田 小関 浅倉)
・だって 生きてかなくちゃ(工藤 宮崎 山木 新沼)
・Loving you Too much(中島 生田 羽賀 室田 上國料 稲場 浜浦)
ロマンティック 浮かれモード(嗣永 譜久村)

娘。の中ではくどぅーとまりあ推しなので見れたの嬉しかったし、福岡だから生田やかみこちゃんの九州組いるのも納得だなぁと思いつつ。

 めいかりんのデコボコセブンティーン見たかったなぁとちょっと思いました。

印象派 ルノアールのように はかなともいなかったので無理なのはわかってたんですが、かななんとおださくが同ユニット なの見たかったなぁ。

ということで円盤待機です。

 

 

 

 

人生初の落語のおはなし。

きっかけは本当に単純。

二宮和也出演スペシャルドラマ「赤めだか」である。二宮担の私は例に漏れず、このドラマを見ており、そして「落語、一度くらい見に行ってみたいなぁ」と思ったわけである。すると、運のいいことに父が「落語のチケットあるけど行くか?」と。

というわけで行ってきました、1月24日、三遊亭小遊三独演会。

まず始めに三遊亭遊里さんによる「まんじゅうこわい」。

私でも知ってるとても有名な話、とは言っても詳しい中身をきちんとしってるわけではなかったので、私はしばらくその話だとは気づいてなかったんだけど。

それまでの軽い雑談のような話ですら、早口のようで聞き取りやすく、そしてテンポや間の取り方がうまい。めちゃくちゃ面白くて大爆笑、ってわけじゃなくて、何気ない話なのに、ちょこちょこ軽く吹き出してしまうような、本当に「話が、というか話し方がうまい」だからこそ、何気ない話なのに笑ってしまう。なるほど噺家、なんて思ったわけだ。

だがそれは、本の序の口だった。実際に噺が始まると、そこにいたのは「たった1人の落語家」ではなかった、数多の人物がそこにはいて、口々に会話を繰り広げている。声色が違う?口調が違う?そんなレベルではなくて。声の出し方が、話し方が、ちょっとした仕草が、全て違う。まるで別人だ。全然違う声か、と言われるとそうじゃないんだけど、なのになぜか別人にしか思えない。

ほんのわずかな視線の向きで、本人たちの立ち位置がわかるようだった。ずっと正座の状態で、たった1人で、小道具はなし。

だというのに、場面が分かる、目の前に、確かに宴会場のような、その空間が見えるよう。

 

それだけで圧倒されたわけで。でもこの方はまだ二つ目の、お弟子さん。

今から、独演会のメインたる人物がやってくるわけで。

小遊三さんといえば、笑点で見たことある人なんて印象で。落語家としての姿はよく知らなかったわけですよ。

そしたらまぁ。今日という日に合わせたお話をすらすらと。そしてちゃんと笑いを取っていく。自虐ネタであったり、客いじりネタであったりといった内容を、しかしまったくもって不愉快な気分とか、かわいそうに、なんて気分にあることなく、ただただ笑ってしまうその話しぶり。徐々にお客さんの笑いのツボを浅くしていく、というか笑いが大きくなっていったところで、さぁお話。

今日の演目は「鮑のし」「文違い」の2つ。

女性役もこなされているわけですが、別に女装してるわけでもない。ビジュアルは本人そのまま、声だって「どう聞いても女性の声」なんてなるわけでもない。

でも確かに、そこには奥さんが、飯盛女が、いたんですよね。かと思えば、気のいいおじさんであったり、いかつい男性だったり、瞬時に演じ分けている。ピシッと頬を叩き、その次の瞬間には叩かれた人物を演じている。会話だって不自然な間もなく成立する。それも、立ち位置がはっきりわかるんですよ。ああ、今こう叩かれたから、この人はこういう方にのけぞったんだろう。2人の立ち位置がこうだから、会話してる時の目線がこうなってるんだな、と自然に認識できる。ただただ、すごい、って思ったし、そういう技術的な面もだけど、とにかく面白いんだ。

古典落語っていうのは、何度も何度も話されてきたものだろう、だけどたくさんの人がききに行きたくなるのは、何度聞いたって面白いからだ。

展開としては、まぁベタな話だったりもすると思うし、似たようなミス(ボケ)が1つの話の中で、何度も繰り返されるのに、毎回同じパターンなのに笑っちゃうってのは、すごいことだと思う。短時間に同じネタを何度聞いても飽きないんだから。

 

そして、あっという間に1つの話が終わり、気づいたら終幕。1時間半。普段2時間超の舞台、3時間近くのライブに慣れた身からするとびっくりするくらい短い。

一つ一つのお話が短めで、笑ってたらあっという間だった。

 

行ってよかっなぁと思うし、一度は行ってみたいな、だったのが。また行きたいなぁ、に変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

越前リョーマは実在した。

頭悪そうなタイトルだけど仕方ない、だって実際そうだったのだ。

というわけで許斐先生のライブの感想第二弾。今回は小越リョーマについて。

次元という概念が消失した空間。そこは、夢の世界だった。 - A✕A✕A

ちなみに第一弾はこちらです。

内容一部被るというか、1つの書ききれなかったからこそ単独記事にして書こうと思ったわけですが。

 

小越勇輝という俳優は、2011年~2014年の約4年間に渡る長期間、それも無印原作全42巻分を最初から最後まで座長として、主人公・越前リョーマとして、駆け抜けてくれた人物で、テニミュ出演公演数が歴代キャスト最多の通称「プリンス・オブ・テニミュ」だ。彼が駆け抜けたのは「テニミュ2ndシーズン」。

そしてテニミュは現在3rdシーズンを迎えており、つまり彼はOBになるわけだ。

既に卒業してる上にテニミュ現役のリョーマ役がいるのだから、彼がまた「越前リョーマ」になる機会なんてあり得るはずがなかった。というか、許されるとは思わなかった。

その上、彼は本当に直前まで金髪だったのである。リハーサルに参加しました、といっていたのはライブの2日前。その時はまだ金髪で、髪の毛もふわっふわでリョーマとはまったく違う髪型。それを、髪を染めて、髮型だって整えてくるまで完全に作り上げてくるとは思ってなかった。

当日にブログあげられた写真がこないだのです、だった時点で気づくべきだったのかもしれない、とは今になって思うことではあるけれど。

と、ここまではあくまで前提。本題はここではない。(長い)

ようは、それくらい「小越勇輝の越前リョーマ」が復活するなんてことは、ありえないし、想定されていないことだったのだ。おそらく、これまでの声優さん立ちのイベントのように「本人として」ジャージを羽織って登場するくらいだろう、と誰もが思ってたに違いない。

 

このライブは、最新の技術によって原作絵のキャラが3次元として現れ、アニメの声で喋り、歌い、そして踊って、先生と絡んでくれるという奇跡みたいな時間で、キャラが漫画から「飛び出してきた」夢のライブでした。そんな中唯一、ミュキャスであった彼が登場した。

テニミュっていうのは、やっぱりキャラがそのまま飛び出してきた「ような」ってことになっている。「まるで」原作そのまま「みたい」であって「飛び出してきた」ではない。

観る側は、あくまで役者さんが演じてくださっているとわかった上で、キャラがそこにいるように感じるのである。これは多分、どの2.5次元舞台においても同じだと思う。舞台だと知って、分かって、観劇に来ているのだから。

 

でも今回はそれまでとは勝手が違う。だって今回は「テニミュ」じゃない。「舞台」じゃない。原作者である許斐先生のワンマンライブで、遊びに来るのは「原作キャラクター達」なのだ。

先生がこれまでに制作なされた楽曲達を披露するライブで、登場曲含む序盤3曲はオール新曲で先生おひとり。そして、原作キャラとのデュエットターンが4連続で始まった。

・金ちゃんは自分自身は入ってないユニット曲(作詞作曲:許斐先生)ではあるが、お祭り騒ぎな曲で本人にぴったりの「テニプリ Fantastic Bazerのテーマ」

・不二は自分自身のキャラソン(作曲:許斐先生)「Grand Slam」

・幸村は許斐先生個人名義の曲(作詞作曲歌:許斐先生)だが、歌詞の内容が本人にしっくりくる「Smile」

・白石は、自身が参加したユニット曲(作詞作曲:許斐先生)「Brave heart」

と、それぞれにあった選曲、かつ全て先生の手によって作られた楽曲を先生とともに歌い上げている。

白石が歌った「Brave heart」は、他のキャラ達がリョーマのことを語っているような内容の曲。そこからの流れで、リョーマと先生の掛け合いデュエット曲である「フェスティバルは突然に(勿論作詞作曲:許斐先生)」が持ってこられるというセットリスト。

勿論この流れで先生と歌うのが「越前リョーマ」でないわけがない。

だからこそ、もう1人唯一ゲスト参加が発表されていたリョーマの声優さんである皆川純子さんが、これまでのイベントと同様にいっしょに歌ってくださるのだろう、あるいは「原作絵の越前リョーマ」が、歌うのだろうと誰もが考える。

 

そこに現れたのは、小越リョーマだった。

私が4年間見続けていた、1年前まで見ていた、大好きなリョーマの姿。

 

原作キャラにとっての越前リョーマってのは、やっぱり原作の越前リョーマだと思う。そして、それまでずっと原作キャラが出てきていた流れの中、その上、原作キャラの「Brave heart」によって呼び込まれて、「フェスティバルは突然に」を歌うために、リョーマそのものの姿で、仕草で登場した彼は、もはや「テニミュに出ていた役者小越勇輝」ではなかった。「原作から飛び出してきた越前リョーマ」と、ほぼ同義だった。

1年だ、1年もの間彼は「越前リョーマ」という役から離れていた。そしてもうテニミュは「卒業」している。だからこそ今の彼は「テニミュ越前リョーマ」には決してなれない。じゃあ、私の目の前にいた、あのリョーマはなんだ、って考えたらそりゃ「越前リョーマ」としか言い様がないのだ。

フェスティバルは突然にの歌詞に、こんなパートがある。

先生「これからも、さぁ聞かせておくれ」

リョーマ「まだまだだね」

これは、よく考えたらありえないことなのだ。だって小越リョーマが復活するなんてことは、きっともう二度とない。だから、彼の「まだまだだね」を聞くことなんて、もうできない。

でも、確かにこのパートは歌われた。歌詞の通りに歌っただけ、と言われたらそうなのだけれど、そうじゃなくて。

・原作キャラたちが連続して出てきた流れの中歌われた

・この曲はアニメのリョーマ(≒純ちゃん)の歌う曲

・おごたんはテニミュで無印リョーマを最初から最後まで演じきった

だから、この時のこの曲での彼は「原作のリョーマ」であり「アニメのリョーマ」であり「テニミュリョーマ」だった。

彼は、「完全なる越前リョーマ」として、その場にいてくれた。だからこそ「越前リョーマ」の「まだまだだね」はこれからも聞くことができるんだって、そんなふうに思えたんだ。

 

アンコール前、本編終盤。純ちゃんが登場した時、黒と白とピンクのワンピース。

先生の「今日は青じゃないんだ?」という言葉に「いつもは青なんですけど、今日は新テニの負け組意識です」と。

そして歌った新曲詞の内容が、原作終了後の、あるいは新テニ現在の軸のリョーマのような歌詞で。つまり、小越リョーマが演じていないリョーマの歌だ。そして、レギュラー陣の声が入っていることで、その曲を歌ってるのは皆川純子ではなく越前リョーマだと思えた。

「フェスティバルは突然に」を、そして「青学ジャージ」を、小越リョーマに譲った

=原作無印のリョーマを、小越リョーマに託してくれたように、そして新テニのリョーマを純ちゃんがしてくれたように、思えた。

だってアンコールでは青学ジャージを着ていたのだ。用意があったのに本編中に着なかったことには、意図があるとしか思えない。

 

だから、あの時フェスティバルを突然にを歌ってたのは、小越リョーマ(テニミュリョーマ)ってだけじゃなくて。

三次元にやってきた、原作の、テニスの王子様越前リョーマだって思った。 

 

様々なゲストキャラクターが来てくれたその中に主人公である越前リョーマがいなかった意味を考えた。きっとおそらく、それは。

おごたんと純ちゃんが、「越前リョーマそのもの」だったからだ。

2人が、確かに越前リョーマとしてそこにいてくれたから、「原作から飛び出てきたリョーマ」だったから、先生は新しく描くことをなさらなかったのだと。

 

アンコールラストの「Love Festival」、2番始まりを純ちゃんとおごたんのWリョーマが見つめ合いながら歌ったこと、そして最後の挨拶でWリョーマによる「まだまだだね」を聞くことができた感動は、もう一生、忘れられない。

 

あの日、確かにあの場所に、越前リョーマは実在した。